「リライトストーリー」広大なマップや洞窟や塔などを冒険するアクションRPGを作った時のことを振り返る

2021年6月8日

前作 BomberBomber外伝は、個人的には「自分もこのくらいのゲームを作れるようになったな・・・」という感情を(勘違いを?)いだきました。

そのことによって、さらなる野望が生まれまして、もう一つどうしても作ってみたいタイプのゲームがあり、それを作ってみたい、と強く思いました。

そのどうしても作ってみたいタイプのゲームというのが「イース」でありました。

プレイした当時、本当に感動した作品の一つです。

ここで言う感動とは、ストーリーのことではなく、ゲームシステムであったりバランスであったり、アイデアであったりのことを指しています。
残念ながら自分の場合、ゲームの場合ストーリーで感動しないんですよね。

どこか頭の中で、いつかイースみたいなゲームを作りたいな、と思っていたんですよね。

そこで作成したゲームが「リライトストーリー」です。

ゲーム概要

  • カーソルキーで移動、Xキーでメニュー開く・キャンセル、Zキーでメニュー決定、Aキーで早歩きします。
  • メニューで装備を整えたりアイテムを装備したりステータスを確認したりセーブしたりロードしたりします。
  • 野外(町や草原)でじっとしていると体力が回復します。
  • 洞窟や神殿・塔の中ではじっとしていても体力回復しませんが、特定のアイテムを入手して装備していると体力回復します。
  • 人やイベント対象にぶつかると会話したりします。
  • 敵に横や後ろからぶつかると一方的にダメージを与えられますが、正面の場合は相打ちになります。ただし半キャラ以上ずれていれば一方的にダメージを与えられます。

使用したツール

VisualStudio(C++)+ DXライブラリ を用いて開発しました。

グラフィックについては EDGE を用いて作成しました。過去作品で作成していただいたものなどを参考にしながら、全て自前でなんとか作りました。

音楽については、ついに諦めました(笑)
記録によると、スキップモア ユウラボ様、タクミドットネット様、フリー音楽素材 Futta Music様の音楽素材を使用させていただきました。

今作の意気込み的に、自信のない自前の音楽は用いたくなかったんですよね。だったらグラフィックはどうなんだという指摘は入りそうですが。
でも、どうしてもグラフィックはフリー素材ものを用いようと思えないんですよね。昔から。
自分のやりたいことに合致するテイストや種類が、フリー素材ものでまかなえるかというと、自分の場合は無理という判断です。

たとえばですが、地形パーツ類の素材を探そうとします。そこに草原やお城、洞窟、塔といった素材はあったとしても、「溶岩地帯を用意したい!」と思ったときに無かったりします。逆に溶岩地帯の素材があったとしてもその素材セットには塔がなかったりとか。

さらにさらに、気に入った地形パーツ類の素材セットが見つかったとしても、それに見合うキャラクターセットや敵キャラセットを見つけるのが困難であったりとかします。

などと思ったことを書いておりますが、良くも悪くも自分の場合はグラフィックは自前・音楽関連はフリー素材をありがたく使用させていただく、というスタイルが本作より現在(2019年)まで続いております。

データ周り

レベルアップに必要な経験値については、CSVで管理しております。

レベルアップ管理データCSV

マップについては、エリア別にマップデータ、イベントデータ(CSV)、敵データ(CSV)を用意して管理しました。

マップデータ
イベントデータ(CSV)
敵データ(CSV)

キャラクターごとの会話パターンやアイテム取得等については、プログラムソース内に直書きしていました。今考えるとこれはこれで実装時は楽ですよね。イレギュラー対応もしやすいですし。メンテナンスはちょっと大変ですが。

メッセージ関連のイベントソース

テキストデータによる管理で収まる内容のゲームであれば、やはりテキストデータは取り回しが手軽で便利ですよね。
しかし本作はなんだかんだ言って186エリア分存在していますので、結構大変でした。

目指したもの

イースっぽいもの。もちろんイースから見たら超劣化版ではあるのですが、イースを知っている方にちょっとでも刺さる何かがあれば良いな、と思いつつ開発しました。
冒険感、レベルアップによる強くなっていく感、ボス戦の楽しさ、を優先。
さらにさらに、一度実装してみたかった「強くてニューゲーム」を実装することで、2周目でないと起こらない(起こせない)イベントや分岐を作り、少しでも長く楽しめる要素を盛り込めれば、と思いました。

実際に出来上がったもの

見た目的にこじんまりとした感じになってはしまいましたが、自身としてはかなりの力作が出来上がったと思いました。
割とボリュームもあり、敵やボスとの戦闘もバリエーションがあってまあまあ楽しいと思いましたし、適度なレベル上げの楽しさもありますし、作るのが苦手ですがちょっとしたストーリーもありました。

ただ、この当時の反応としては、特に褒められたりするようなことはなく、とはいえ全く反応が無いというわけでもなく、全体的に淡々としていたかと思います。当時のフリーゲームの中に紛れている1作品、という枠から全くはみ出すこと無いものでした。

自分ではよく出来たな楽しいな、と思ったものの、マップがだだっ広かったりレベル上げ面倒くさいだったり、グラフィックいまいちだったりといった点などなどの不満点は潜在的に存在していたようですし、さらに「この部分は良いね!」といったキラリと光るなにかがあったのかというとそれは無かった、といったところが正直なところだったのでしょう。

リリース後に思ったこと

本作は構想部分を含めて1年くらいかかりました。当然世の中の個人開発者の作品にはもっと大作であったり名作であったり時間がかかっているものであったりするものが多数存在するのですが、自分の中では過去作品の中でも1番の大作だったことは間違い無いので、作り終わって少し燃え尽きた感がありました。

さらに、勝手に(大作と思ったものを)作っておいて、反応が思ったよりは無かったことから、次の作品を積極的に作っていこうというモチベーションも生まれなかったのは事実で、少しだけ「もうゲーム開発は良いかな・・・」なんて考えてしまっていたような記憶があります。

何を目的にゲームを作るのか、を明確にしておくというのは大事ですね。

開発のスキルアップを目指したり構想を練ること自体が楽しくて開発しているというのはもちろんあったのですが、おもしろいゲームをリリースすることで、ちょっと人気が出たりしないかな?なんていうあいまいな目的でゲームを作っていた部分も割とあったような気がします。
もう公開していないものも含めると本作で15作目のリリースだったのですが、そのあたりがきちんと定まっていないあたりがイマイチでしたよね。

そう考えると、少なからず今のスマホアプリ界隈の広告等による手軽なマネタイズ方法がある昨今は、良くも悪くも目的が設定しやすいため、ありがたい時代だな、と感じています。

2009年9月作