「BomberBomber外伝」初めてシューティングゲームを作った時のことを振り返る

2021年6月8日

DXライブラリ の使用感がなんとなくわかったきたところで、次はいよいよずっと前からの憧れであったシューティングゲーム作成に手を出すことになります。

小さい頃、特にシューティングゲームが大好きでした。ただしそんなにいろいろなシューティングゲームに手を出していたわけでもなく、割とメジャーな作品を触っていた程度ではありました。ただ、好きだったんですよね。シューティングゲーム。

何故か縦スクロールシューティングゲームはあまり好みではなく、横スクロールのシューティングゲームが好きでした。
ということは、3大横スクロールシューティングと言われている、グラディウスシリーズやダライアスシリーズやR-TYPEシリーズが好きだったのですが、よく触っていたのは、グラディウスは3まで、ダライアスは2まで、R-TYPEは1まで、という感じでした。いずれも浅いですね。

ですので、ダライアスについては外伝はほとんど現役では触っていませんでした。好きだった2までに比べると一気に様変わりした感覚があり、受け付けなかったんですよね、当時は。1画面だったことも、これじゃない感を勝手に感じてしまっておりました。

ただこのころ(2008年当時)自分の中で流行っていたシューティングゲームは、ダライアス外伝でした。
YouTubeやニコニコ動画の文化が始まっており、シューティングゲーム開発の研究用と懐古的な感じで色々と知っているシューティングゲームの動画を漁っていました。

そのときに、当時ほとんど触らなかったので全くクリアできるイメージが無かったダライアス外伝に触れ直すことができ、そのクオリティの高さにあらためて感動し、実際にプレイできるゲームセンターを探してプレイしに行ったりしたものです。遅ればせながらクリアもできました(一番かんたんなフウセンウナギルートですが)。

そこで?作成したゲームが「BomberBomber外伝」です。

ゲーム概要

  • カーソルキーで移動、Zキーでショット&ミサイル
  • Xキーでボム(回数制限あり)
  • クリア時にステージが分岐し、選択することができます。
  • 赤い玉でショットがパワーアップ、緑の玉でミサイルがパワーアップ、青の玉でアーム(バリア)がパワーアップします。

使用したツール

VisualStudio(C++) + DXライブラリを用いて開発しました。

グラフィックについては何を用いていたのかきちんと覚えていないのですが、確かFireWorksとMetasequoiaを用いていたかと思います。今作のボスはMetasequoiaでモデリングして画像出力するという実験的なことを行ってみました。
大きいグラフィックはドット絵で作ると大変なので、3Dで作ってみよう、と思ったのがきっかけです。

ただ、割と3Dアレルギー的なものがある人間なので、この試みは本作のみで終わってしまいました。

音楽については、確かDominoを用いていたかと思います。この頃までは音楽も含めてすべて自前で用意したいという意欲がありましたね。お世辞にも良い出来とは言い難いのですが。

シューティングゲームを初めて開発するにあたって、アイデア的な部分とか実装方法面を学んでおこうと思い、「シューティングゲーム アルゴリズムマニアックス」という書籍を購入して勉強し、大量オブジェクトの処理方法やいろいろな種類の敵弾の動きなどなど、参考にさせていただきました。

マップのデータについては特にツールは使用せず、各ステージごとにソースコード内に記述し、地形を表示したりイベントを発生させたりスクロールを加速させたりスクロール方向を変更したりしていました。

マップデータはこんな感じです

マップに紐付いたイベントデータとは別に、時間軸に紐付いたイベントデータをもたせており、こちらでは主に敵・ボスの表示を扱っています。

時間軸イベントデータはこんな感じです

目指したもの

シューティングゲームを初めて作成する、ということで、無事に完成させることがまず第一でした。
その上で、元ネタ?であるダライアス外伝のテイストをちょっとでも取り入れられたら良いな、と思いながら開発を進めました。

道中の面白さは自分としては高めることが難しいのかな?と思っていたので、ボス戦はできるだけ楽しめるようにバリエーション豊かなボスを生み出そう、と努力はしました。

実際に出来上がったもの

シューティングゲームとしての最低限のラインはなんとか保てていたのではないかと思います。

予定通り、道中はちょっとワンパターンというか、そんなに工夫がなかったかな、と思うところはありますが、一応いろいろなボス戦を楽しめるように努めました。

ただ、反省点としては、攻撃パターンが少々少なかったな、ということと、その割には少々硬くしすぎたかな、という点があります。
よって、割と単調なボス戦になってしまったにも関わらず、長引きがちになってしまいました。
本ゲームはショットよりミサイルがだいぶ強いので、張り付いてミサイルを打ち込む、というのがボス攻略法の一つになるのですが、それがわからないと、正直単調なボス戦になってしまいますよね。

リリース後に思ったこと

自分の中では、リリース当時では過去一番の出来のゲームが完成した、と、そう思いました。
今までの作品にも個人的に大作だなと思った作品はありました(お姫様の憂鬱)が、ゲームとしての出来は明らかにそれを上回ったな、と。自分を自分で褒めたい(by有森裕子)と。

ただし、この自己評価は明らかに過大評価です。
なぜならば、好意的なご意見はおかげさまで少しいただくことができましたが、その数は大してありませんでしたから。
結構おもしろいものができたのになー、なんて思ってしまっていました。この辺の世間との価値観の乖離が、ヒット作を生み出すことができないところなのだなぁ、なんてしみじみを感じてしまいますね。

ちなみに、各ボスをどのように作成してどのようなロジックで動かしていたのか、なんていうあたりについては別途記事をまとめて記録を残しておこうかななんて思いますが、それはまたの機会に。

2008年8月作