わたしがほぼ完全におひとりさま開発を行っている理由

2021年6月8日

個人のゲーム開発者がリリースするゲームは、ゲームバランスが悪くなりがちであったり、ユーザーインターフェースが悪くなりがち、とよく言われます。なのでリリースする前に何らかの形でテストプレイをしてもらいましょう、テストプレイをしてもらうべきです、とよく言われます。

この意見、概ね賛成です。

テストプレイしてもらうメリット

やはりテストプレイをしてもらえる友人・知人がいればテストプレイをしてもらったほうが良いのは間違いないです。

開発者本人が気づけない難易度バランスの破綻や、使いづらいメニュー等などをリリース前に気づくことができます。

実際、アクション要素の強いゲームの場合、開発者は何度も何度もテストプレイを繰り返しますので自動的にそのゲームに対して上手になりすぎ、「これではまだかんたんかな?」といった感情が芽生えてしまい、難易度がインフレを起こしてしまう、といったケースは、かなりのあるあるだと思います。

テストプレイヤーが存在すれば、開発者の勘違いに事前に気づくことができ、難易度のインフレを防いだり操作しにくいメニューを直したり、なによりバグを減らすことができたりします。

このように、良いことづくめの他人によるテストプレイなのですが、

どういうわけだかわたしはテストプレイをしてもらいません。

テストプレイしてもらわない理由

シビアにゲームのクオリティを上げたい、といった要件については、他人によるテストプレイは必須といって良いかもしれません。

ただ、あらためて自分がゲームを作っている理由を考えてみると、とにかく自分が好きなようにゲームを作り上げたい。というのがあるのです。

当たり前のことなのですが、リリース前にテストプレイをしてもらってフィードバックをもらうということは、精査はするとしてもそのフィードバックを取り入れる必要があります。

これが個人的には苦痛で、ものすごくモチベーションが下がってしまう要因の一つになってしまうのです。

完成させるための自己防衛

かなり前の話にはなるのですが、以前に一部グラフィックを手伝ってもらう予定だった方にリリース前のゲームをプレイしてもらったのですが、その時に色々と要望が出たんですよね。
その方はまったく悪気は無く、こうしたほうが良いああしたほうが良い、こうしようああしよう、といった意見を頂いたのですが、当の本人はその部分を組み直すといったことはしたくなく、結局お断りした経緯がありました。

プログラマーではない方の意見なので、どの部分の修正は手間がかかり、どの部分の修正はライトである、なんていう切り分けができるわけが無いです。
ヘビーな内容の要望のオンパレードに面食らったのです。当たり前の現象なんですよね。でも予期できていなかったのです。

自己を否定された感覚

あと、これは考えすぎとしか言いようが無いのですが、自分が良いと思って実装したアイデア・機能に対して「これは良くない」とか「こうしたほうが良い」とか言われることが、自分を否定されたようでつらい、という面もあります。
仕事であれば全く気にならないのですが、プライベートで行っているゲーム開発についてはなぜかその感情が大なり小なり生じてしまうんですよね。

とても褒められた姿勢でないのは自分でも承知しているのですが、少なくとも自分にとっては自分の作りたいゲームを途中で嫌にならずに完成させる・・・自己防衛のために完全おひとりさま開発を行っている、という状態です。

そのような状況ではありますが、なんとか楽しめる要素を含んだゲームを開発していきたいな、と常日頃考えています。

そんな自分勝手なわたしの作品にお付き合い頂いているユーザーの方々には本当に感謝しております。

雑記